展望の名所をゆったりと楽しめる山【蝶ヶ岳】!北アルプスデビューにおすすめの山です。山頂や、蝶ヶ岳ヒュッテからは展望抜群、北アルプスの山々が望めます。
初心者にもおすすめで、上高地や三股登山口からのアクセスもしやすく、比較的挑戦しやすい山です。
しかし、山は一歩間違うと危険で大惨事にも繋がります。私は蝶ヶ岳登山で危険な思いをし、改めて入念な準備や、装備、天候、時期をリサーチしたうえで登る大切さを学びました。
今回は、蝶ヶ岳の魅力と、私の失敗談をお伝えします。
蝶ヶ岳とは
長野県にある標高2677mの山で、北アルプスの常念山脈に位置します。登山の難易度が比較的高レベルの北アルプスの中では登りやすく、山頂からは360度大パノラマの展望が望めます。
蝶ヶ岳の名前の由来は、春先になると、長野県安曇野側の山肌に蝶の形をした雪形があらわれることからそう呼ばれるようになりました。
また、蝶ヶ岳の稜線は夏になると高山植物(オヤマソバ、イワツメグサ、ミヤマキンバイなど)の宝庫となります。
私の遭難未遂体験、6月長塀(ながかべ)山ルートにて
私にはいままでの登山経験で、最大の失敗があります。これまで登山経験を多少なりとも積んできて、少し慣れてきた頃でした。「そろそろ登れる頃だろう」と思い込み、6月の中旬に徳沢→長塀山→蝶ヶ岳ルートで挑みました。
しかし、標高が上がっていくにつれて景色が徐々に変わり始めます。登っていると思った以上に残雪が多く、次第に登山道が雪に覆われて見えなくなっていきました。足跡もなく、どこが登山道なのか全くわからねい状況に。必死に地図とコンパスを参考に、樹木に記されているピンクテープ(登山者が道迷いせずにすむように、登山道に設置されている布製のテープのこと)だけを頼りに進む状況でした。
次第に、残雪もピンクテープの上部に差し掛かり、テープが見えない状況に陥りました。これは残雪が樹木と同じ高さまであり、木と同じ高さで歩いてることを意味し、私は完全にコースを見失うルートロストの状況に陥りました。今考えると、このとき下山する選択肢がありましたが、なぜか進むことしか考えていませんでした。ピンクテープがあった木までもどり、コンパスと地図を頼り行き帰りを繰り返し、なんとか長塀山までたどり着きました。
長塀山山頂といえども徳沢から蝶ヶ岳までは終始樹林帯を歩き続けるルートです。標高差も大きくその上寒さも想像以上。普通の登山装備で来てしまったため、体はどんどん冷えていきました。
足元は滑り、ピンクテープもなんとか見つけながら歩き、登頂できましたが、「慣れてきた頃が一番危ない」という言葉の意味を痛感しました。
蝶ヶ岳登頂までの登山ルートと難易度
蝶ヶ岳登頂までの登山コースはいくつかあります。
- 三股ルート(初心者おすすめコース)
- 徳沢コース(長塀山経由コース)
- 横尾コース(横尾→槍沢コース)
三股ルート(往復8時間20分)
登り(計5時間10分):三股駐車場(20分)→三股(2時間30分)→まめうち平(2時間20分)→蝶ヶ岳
下り(計3時間10分):蝶ヶ岳(1時間20分)→まめうち平(1時間30分)→三股(20分)→三股駐車場
標高差:1327m(三股駐車場1350m 蝶ヶ岳2677m)
往復距離:約12キロ
三股登山口から蝶ヶ岳山頂を目指すルートです。北アルプス初心者におすすめのルートです。日帰りで登山することも可能ですが、コースタイムが往復で8時間超えのため、体力に自身がある人以外は1泊2日を推奨します。
登山口から常念岳を目指すルートととの分岐があります。蝶ヶ岳ルートへ進むと吊橋があり、傾斜がキツくなってきます。登山道が整備されて歩きやすいコースです。階段をしばらく登っていくとまめうち平に。まめうち平は休憩ポイントだが展望はありません。まめうち平からは、アップダウンの繰り返しで樹林帯を進み、森林限界を抜けた大滝山分岐付近はお花畑があります。高山の雰囲気を楽しみながら稜線を歩くと、蝶ヶ岳ヒュッテに到着です。
徳沢コース(往復11時間40分)
登り(計6時間40分):上高地(2時間)→徳沢(3時間40分)→長塀山(1時間)→蝶ヶ岳
下り(計5時間):蝶ヶ岳(40分)→長塀山(2時間20分)→徳沢(2時間)→上高地
標高差:1172m(上高地バスターミナル1505m 蝶ヶ岳2677m)
往復距離:約25キロ
上高地から徳沢、長塀山を経て蝶ヶ岳を目指すルート。上高地バスターミナルから徳沢までは平坦な道を歩き、観光客とすれ違いながら進みます。
※上高地から、横尾までのルートを解説したページを作ったので、以下のリンクをクリックして読んでみてください。

※明神橋から穂高連峰
蝶ヶ岳への登山口は徳沢園の裏手から進みます。道幅も狭く左右小刻みに歩きながら進みます。ここからいきなり傾斜がキツくなり樹林帯の急登が始まります。道のりはまだまだ長き、ゆっくり進み、長塀山まではずっと急登が続きますのでこまめな休息が必要です。三股ルートに比べると登山道の道幅は狭く、転ばないように足元に気をつけながら進みます。
やがて小さい池が見えると、長塀山に到着です。山頂ですが樹林帯の中のため展望はありません。ここからは緩い稜線を登り、展望が開けてくると、蝶ヶ岳ヒュッテに到着します。
横尾コース(往復12時間20分)
登り(6時間50分):上高地(3時間)→横尾山荘(3時間20分)→蝶ヶ岳ヒュッテ(30分)→蝶ヶ岳
下り(5時間30分):蝶ヶ岳(30分)→蝶ヶ岳ヒュッテ(2時間)→横尾山荘(3時間)→上高地
標高差:1057m(横尾山荘1620m 蝶ヶ岳2677m)
往復距離:約26キロ

※横尾大橋から
同じく上高地〜徳沢へ行き、横尾〜槍沢〜蝶ヶ岳を目指すルートです。横尾山荘を過ぎると、槍ヶ岳(槍ヶ岳は私がずっと憧れる山で一番好きな山です)の分岐があります。
蝶ヶ岳方面に向かい、ここから本格的な登山が始まります。整備された登山道ですが、木々が所々倒れており、避けながら歩きます。急登を登り続けると槍見台に到着。ここからはあこがれの山、槍ヶ岳が近くに見えます。ここで小休止をとり、蝶ヶ岳へ向かいますが、ずっと急坂続きなのでマジでしんどい・・です。
横手に槍ヶ岳の展望を眺めながら蝶ヶ岳を目指します。木のはしごやゴロゴロした岩場を登りながらようやく視界がひらけ稜線へ。稜線をしばらく歩くと蝶ヶ岳ヒュッテに到着します。
※コースタイム、距離は登山地図の「山と高原地図」を参照
徳沢ルート、横尾ルートどっちがきつい?
私は、蝶ヶ岳登山で両方のルートで山頂まで登りました。どちらのルートも登山口からの登りは途中で引き返したくなるほどつらいです。私の体感ですが、どっちのルートがキツイかというと横尾ルートです。
標高差
徳沢ルート(1172m)
横尾ルート(1057m)で徳沢ルートのほうが高低差がありますが、
距離
徳沢ルート(6~7キロ)
横尾ルート(2.5キロ~3キロ)
というデータがあります。
徳沢→蝶ヶ岳までもキツイ急坂が続きますが、横尾ルートは終始続きます。槍ヶ岳を眺めながら登れるというメリットがありますが、横尾ルートは、山頂までの距離が短い分、本当にしんどいです!体力に自信があり、健脚者向きのコースといえます。
持っていけばよかった装備・道具6選
私自信今回の登山失敗経験で痛感したことは装備・道具の大切さです。特に必要だと思ったのは以下のものになります。
- 防寒着(厚手の素材のもの)
- 手袋
- 軽アイゼン(雪道対策)
- スマホの予備バッテリー
- ヘッドライト
- 熊鈴
これらは、最低限必須です。この他にゲイターや、地図のアプリも導入しておけば、判断の幅が広がります。備えあれば憂い無しでやりすぎるくらい完璧な準備をしましょう。
蝶ヶ岳登山で学んだ教訓
蝶ヶ岳山頂からの眺めは最高の景色ですが、それまでに至る過程、準備を怠るとその難易度は一気に跳ね上がります。
私自身、6月の長塀山ルートで登った登山で痛い思いをしました。大げさかもしれませんが運が歩ければ大惨事になった可能性だってあります。
ですが、この経験のおかげで、山の強さと準備の大切さを再確認できました。それ以来、他の北アルプス登山や縦走した際も「危険な行動をしない」、「準備を怠らない」を旨に安全な登山を心がけるようにしています。
十分な装備を持っていない登山者が初めて蝶ヶ岳に挑戦するなら、夏~秋に登るのがおすすめです。
季節に合わせた装備と、事前のしっかりとした準備で安全で楽しい登山を楽しんでいただきたいです!
