アルプスを遠くに眺めるとき、すぐに名前があがるのが槍ヶ岳(やりがたけ)!「尖ったあの山頂にいつかは立ってみたい」と思う登山者は多いのではないのでしょうか?
日本に住んでいるなら一度は登ってみたい山としてあげられるのが富士山。
一方、登山している人が必ず一度は登ってみたい山として真っ先に出てくるのが、槍ヶ岳だそうです。
私は登山を始めて数十年経過しています。登山を始めて、すっかり山の魅力に取りつかれてからは、いつかは絶対に登ってみたい山、目標としていた山が槍ヶ岳です。
槍ヶ岳に挑戦するまでにいくつかの北アルプスの名峰に挑戦してきましたが、その山頂から槍ヶ岳を見るたびに日に日に気持ちが高ぶっていいたのを覚えています。
そして、登頂したときの達成感や、満足感、感動は今でも忘れられません。
槍ヶ岳とは

槍ヶ岳は、長野県と岐阜県の県境にある標高3180mの山で、北アルプスの南部に位置する標高日本第5位の山です。
※ちなみに1~4位までは以下の通りです。
- 1位:富士山 標高3776m
- 2位:北岳(きただけ) 標高3193m
- 3位:奥穂高岳(おくほたかだけ) 標高3190m
- 4位:間ノ岳(あいのだけ) 標高3189m
槍ヶ岳の名前の由来は、山頂の先端が槍の穂先のような形をしていることから、その名前がつけられたそうです。また鋭く天を突くような山の形から「日本のマッターホルン」とも呼ばれ、日本百名山に数えられる日本を代表する名峰です。
開山者:槍ヶ岳に初めて登頂した人物は江戸時代後期の仏僧である播隆(ばんりゅう)上人です。1828年に初登頂に成功したあと、多くの人が登れるように、山頂に祠を建てたり、鎖を設置したりと山岳信仰の場として広めました。
登山ルート~トンガリのてっぺんは槍沢から目指すのが王道!~
槍ヶ岳を目指すルートは数多く、槍ヶ岳を中心に東西南北に派生しています。そのいずれもがそれ相応の登山経験を要する縦走路です。
- 燕岳から表銀座と呼ばれる登山道を歩くルート
- 高瀬ダムから裏銀座と呼ばれる登山道から目指すルート
- 北穂高岳から大キレットを渡り、南岳を介して目指すルート
- 黒部立山から薬師岳を介して目指すルート
と、様々なルートが開拓されています。
今回はその縦走路ではなく、数多くの登山者が利用し、比較的に初心者向きのコースである槍沢からのルートを紹介します。このコースは上高地を起点に往復する、山頂までの最短ルートです。
※表銀座や、裏銀座、立山からのルートは今後紹介していきたいと思います。
参考コースタイム
2泊3日
1日目(計1時間55分)
上高地バスターミナル(55分)→明神(1時間)→徳沢2日目(計8時間20分)
徳沢(1時間10分)→横尾(1時間)→一ノ俣(40分)→槍沢ロッヂ(1時間)→水俣乘越分岐(40分)→天狗原分岐(2時間50分)→槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳⇔1時間3日目(計7時間20分)
槍ヶ岳山荘(1時間40分)→天狗原分岐(35分)→水俣乘越分岐(40分)→槍沢ロッヂ(30分)→一ノ俣(50分)→横尾(1時間10分)→徳沢(1時間)→明神(55分)→上高地バスターミナル
上記が槍ヶ岳を目指す王道ルート、参考タイムです。
登山計画によっては、1日目と2日目の計画を変更して、横尾山荘や槍沢ロッヂで一泊するプランも良いです。どの小屋もきれいで設備面でも本当にいい山小屋です。
また、早朝から登山スタートすると1日で槍ヶ岳まで登頂することも登山熟練者には可能です。
ですが初心者にはしっかり休息を取る2泊3日プランがおすすめです。
ルート概要
上高地~明神~徳沢~横尾
上高地から横尾までは約3時間で到着します。基本的には平坦で歩きやすい登山道ですので、ウォーミングアップに最適です。しっかり足を慣らしゆっくり進みましょう。
以下の記事で詳細ルートをまとめてありますのでご参照ください。
横尾→槍沢ロッヂ
横尾からは涸沢カールへ続く橋(横尾大橋)と、槍ヶ岳へ向かうルートと二手に分かれる標識があります。横尾大橋を渡らずに槍ヶ岳へ向かう道を進みます。槍沢ロッヂへ向かう道は基本的には沢の側をずっと歩きます。水の音を聞きながら、山々に囲まれている実感を感じ、登山道は整備されており本当に歩きやすいです。ニノ股橋という橋を通過しだんだん平坦な道から登りになっていきます。ここから登山モードになっていき、しばらくすると槍沢ロッヂに到着します。
私はまだ見たことがありませんが、天気の良い日にはこの小屋から槍ヶ岳が見えるそうです。
槍沢ロッヂ→槍ヶ岳
ここから先は目的地まで小屋がありませんので、休息をしっかり取り、食事、水を補給したら出発します。
槍見河原でも槍ヶ岳の姿は見られますが、まだ道のりは遠い・・ババ平を経て左に大きくカーブする大曲にさしかかると、景色がだんだんと開けてきます。
グリーンバンドという場所にたどり着けば槍の穂先を見ながらの登りとなります。このあたりから傾斜がキツくなり、ガレた岩場の道を慎重に進めば播隆(ばんりゅう)窟、さらに登れば殺生ヒュッテ、そこから、ジグザグに急な坂道を登れば槍ヶ岳到着です。

槍ヶ岳山荘に到着し、荷物をおいて槍ヶ岳の山頂を往復します。道は登りと下りが別れているので注意します。かなりの高度感があり、クサリ場とハシゴが連続するので慎重に登ります。
※槍沢上部には残雪によっては雪渓歩きになります。槍の穂先では毎年と言っていいほど事故も起こっています。ピーク時期には渋滞することもありますが、ハシゴやクサリ場では三点支持を守り落ち着いて行動することが重要です。下山時の槍沢の長い下りは膝がかなり辛くなるのでストックがあると便利です。
槍ヶ岳山荘
私が思うに、日本で一番有名な山小屋ここではないでしょうか?日本全国の山好き全員が知っている槍ヶ岳のすぐ直下にある山小屋。
この切り立った槍ヶ岳に隣接し、いつでもそのロケーションを眺められる贅沢極まりない山小屋です。
創業は1962年。以来、改築・増築を重ねて今では収容人数650人と、山小屋としては屈指の規模を誇っていることもあり、館内はまるで迷路のように広いです。初めて来たときには迷ってしまいました。
規模が大きいだけに、山小屋として考えられる施設はほとんどあっていいと思います。夏山診療所、自炊小屋、冬季小屋など。「キッチン槍」という軽食・喫茶コーナーでは焼きたてのパンまで販売しています。
それでいて、標高は3000m超、そして槍ヶ岳まで30分。そのロケーションのよさと至れり尽くせりの山小屋の充実度が槍ヶ岳山荘の魅力だと私は強く感じます。
槍ヶ岳山荘:標高3060m
営業期間:2025年4月26日(土)~11月3日(月)
宿泊料金:一泊二日 14000円
一泊三食(お弁当付) 15500円
一泊夕食付 12500円
一泊朝食付 11000円
素泊まり 9500円
テント(1名) 2000円
割引: 小学生以下 6000円割引
中学生 3000円割引
テント大学生以下 1000円
※令和7年度10月1日より、槍ヶ岳山荘と南岳小屋では上記の金額に加え、おひとり様あたり100円の宿泊税がかかります。
公式ホームページより引用
槍ヶ岳の麓にて
槍ヶ岳は登山者の憧れと皆が口をそろえていうように本当に最高の場所です。槍ヶ岳を眺めながら、槍ヶ岳に向かう道中は常にドキドキし、到着しても圧倒的存在感から現実離れします。
槍ヶ岳山荘で槍ヶ岳を眺めながらビールを飲むのはなんともいえない贅沢です。夕方には槍ヶ岳に夕日があたる光景は本当に幻想的ですし、夜には満天の星空が近くに見え、運が良ければ流れ星まで見ることが出来ます。
朝にはご来光まで楽しめて本当に別世界の感覚を味わうことが出来ます。
南岳へ
ここまで上高地から槍ヶ岳までのルートを紹介してきましたが、私がもう一つ紹介したい山があります。
それは南岳です。
南岳は槍ヶ岳の南に位置し、大喰(おおばみ)岳(3101m)、中岳(3084m)の稜線を縦走し、到着します。
槍ヶ岳→南岳(2時間30分)
槍ヶ岳から大喰岳までは約30分。槍ヶ岳山頂からルートを眺めると、傾斜がキツイのかなと思いましたがそれほどきつくななく、大喰岳へ到着します。
稜線歩きのため景色は最高です。
大喰岳から中岳までは約40分登っては下りのアップダウンの繰り返し。ですが高低差はあまりないので稜線歩きを楽しめます。一部クサリ場やハシゴがありますが、注意して進めば問題ありません。
中岳から南岳までは約1時間20分。中岳山頂からはヒュッテ大槍が見え来た道を振り返ることが出来ます。振り返ると登ってきた道が垂直に見え、我ながらよく登ってきたものだと思います。
中岳からは岩場が増えガレ場などもあります。注意していないとルートも見失い、少し危険ですが、登ってくる人ともすれ違いますので注意して進みましょう。まもなくすると南岳山頂につきます。
私は槍ヶ岳に向かうと必ず南岳にも訪れます。その先にある未だ挑戦したことのない大キレットを拝めいつか必ず挑戦すると心に決めます。
南岳小屋は槍ヶ岳山荘に比べると小さい小屋ですが、とてもきれいです。最近、槍ヶ岳に向かうときは、南岳小屋をよく利用するので個人的にはおすすめの小屋です。
さいごに

何度も語ってしまいますが、槍ヶ岳は登山者のあこがれの山です。登山を始めたものなら、必ず一回は訪れたいと思える山です。
その一方で上高地から槍ヶ岳までのルートはたいへん遠く、技術力よりも体力面での鍛錬が必要となります。山に登るに当たってはしっかりした下準備が必要不可欠です。
必要な装備を揃えしっかりとした対策を講じて挑みましょう。
登山者が揃えておくべき装備を以下の記事でまとめてありますので参考にしてください。
安全な登山計画をたて、最高の山旅を楽しんでください。
